株式投資~資産1,000倍への道~その11 こんな会社には手をだすな!2

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管理人は株式投資歴28年1カ月。生涯投資家を目指しています。今の目標は、投資成績1,000倍。

自らの投資を見直すためにも、これからの投資生活のためにも株式投資についてまとめていきたいと思います。今回は『こんな会社には手をだすな!』というテーマで、近寄ってはいけない会社として事例をあげて書いていこうと思います。

管理人の投資成績

管理人の2019年2月現在の投資成績は323倍です。

こんな会社には手をだすな!2

前回『こんな会社には手をだすな!』でシェアリングテクノロジーを例に挙げました。

シェアリングテクノロジーの場合は、業績がいい悪いといった以前に経営方針やあり方に賛同できないっていう会社として取り上げました。

今回は、経営方針や会社の存在意義は高く評価できるものの、株式投資の対象に絶対してはならない銘柄について紹介したいと思います。

サンバイオ

株式市場では、有名な会社ですね。『再生細胞薬』を創薬する企業です。

病気に苦しむ患者さんのために、いままでになかった薬を創り出す。まさに世の中になければならない企業です。創り出した薬がどれだけの価値を持つかというのは説明する必要もないでしょう。

会社の評価、株価にとってもそうですが、なによりも命を救うという数字では表せない尊い役割と存在価値があると思います。

しかし、管理人はサンバイオのような創薬企業、バイオベンチャーは投資対象とはしません。 誰かがこういう会社に投資をして円滑な開発活動を助ける必要があります。

それでも投資対象にはしない。まだできない、といっていいかもしれません。

株価の非連続性

これが2019年1月末から起きた記録的な暴落のチャートです。11,710円からの4連続ストップ安、5日目に辛うじて寄り付いたものの、始値は 2,440円。売りたくても売れない、まさしく暴落がおきました。

株式会社への投資家は、限定責任。つまり、自分が投資した額以上の責任はありません。投資した会社が債務超過になろうと、その負債への責任はないんです。なので、基本的には、株式投資で負債を負うことはありません・・・。基本的には。

しかし、株式投資には信用取引という制度があります。管理人は、この信用取引を多用しているので、信用取引が問題とは考えないですが、何事もメリットとデメリットがあって、諸刃の剣です。使い方次第で、思わぬ落とし穴に陥ることがあるのも事実。

たとえば、現物取引、信用取引ともにサンバイオに投資していたなら、この暴落で莫大な借金を抱えることになったでしょう。信用取引は、借金をして株を買うことができる制度なので、こういう場合は大きな負債を抱えることになります。

実際、今回の暴落で多額の借金を抱えることになった人が数多くいるようです。

何が問題がというと、株価が非連続だったからです。11,710円の次に通常取引が成立したのは、2,440円。売りたくても売れなかったんです。

暴落の理由は、 『再生細胞医薬品「SB623」慢性期脳梗 塞を対象にした米国でのフェーズ 2b 臨床試験の解析結果の速報』というサンバイオ発表のIR1本。

簡単に言えば、『開発中の薬が臨床試験で効果がないことが分かった』という発表です。 サンバイオのようなバイオベンチャーは、1つの薬が失敗するだけでその影響は甚大です。

経営に与える影響もとても大きい。臨床試験で成功するか、失敗するかというのは会社の存続に影響を与えるレベルの問題だということです。

企業価値の非連続性・価値評価の困難性

株式投資は、企業の価値より株価が安ければ買って、企業の価値より株価が高くなれば売ればいい。

企業の価値は、普通はいきなり増えたり、減ったりしないもので、連続性があるのですが、なかにはサンバイオのように連続性が途切れることもあります。東京電力の福島のような場合もそういった例かもしれません。

地震、噴火、戦争、はたまた隕石の衝突・・・テールリスクを考えだすと限りがなく、株式投資なんてしてられません。でも、少なくともサンバイオの場合はテールリスクとはいえず、創薬企業には付きまとうリスクです。

さらに言えば、企業価値の評価が非常に難しい。『SB623』という薬が承認されたときは、どれだけ売れてどれだけの利益を得るかは計算しやすいでしょう。でも、承認までいけるかどうかの評価が難しい。できないといってもいいかもしれません。

創薬は非常に難しい。3万種の薬になり得る候補化合物のうち、実際に薬になれるのは1つ。確率にして、0.003%。臨床試験まで、たどり着けたとしても薬になれるのは10%以下。

フェーズ1からフェース2は 63%。フェーズ2からフェーズ3は 30%。フェーズ3から承認までは50%。ある意味、バイオベンチャーへの投資は、表か裏かの賭け事になってしまいます。

サンバイオの企業価値は、臨床試験の結果次第で非連続なものになるし、そもそも企業価値の評価というのは非常に困難としかいえません。

そんなことはサンバイオだけの特殊事例だろと思われるかもしれませんが、バイオベンチャーにはよくおこることです。これだけの暴落幅は珍しいにしても、よくあることです。

2016年におきたアキュセラインクのチャートも載せてきます。

まとめ

『こんな会社には手をだすな!2』ということで、サンバイオについてまとめてみました。

株式投資をしていると手っ取りばやく利益を上げたい衝動にかられることもあるでしょう。半年で3倍、5倍、10倍となる可能性があるバイオ関連銘柄に惹かれるのは理解できます。でも、そんな『欲』だけで投資をしてしまうと管理人の経験上、失敗することが多いのです。

投資家として長く、そして結果を残していくと周囲から、『どの銘柄があがるのか?』『どうやったら儲かるの?』とよく聞かれます。

そんなことがわかるなら、管理人も聞きたいぐらいです。

管理人の株式投資をする理由は、利益のためではなく、楽しいからなんです。

何が楽しいのか。将来成長するであろう企業を見つけることが楽しい。企業の価値を自分なりに計算することが楽しい。自分の知らない業界や事業を知ることが楽しい。企業のトップの話を聞くことが楽しい。

業界を知って、事業を知って、社長と話す。企業の方針を理解して、方向性を把握して、事業の進捗を見て、企業の価値を計算する。その価値よりも株価が安ければ投資をする。フォローをして思っていたような発展を遂げているか確認をし、事業環境の変化を感じ、価値よりも株価が高くなれば売る。

そういう流れがホント楽しいんです。その結果、利益がついてきているだけで、最初からお金を増やしたくてしているのではないんです。

そういうなかで、創薬という業界は非常に難しい。自分の知識の無さ、情報収集の難しさ、臨床試験の不確実性。投資したくても投資できない。その上、たった1本のニュースで経営が傾く恐ろしさ。

株式投資では、事業内容を心底理解できる企業、実際に話を聞いて話をして社長のことを信頼できる企業、将来性がありこれから世の中が必要とするモノ・サービスを提供している企業。そういった企業に投資をすれば、おのずと結果はついてくると思います。

逆に言えば、そうじゃない企業に投資をすれば失敗すると思います。


投資は自己責任です。自ら情報を集め、分析し、投資実行してください。投資による損益の責任は自らにあります。


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